課題本は、『マイ・アントニーア』みすず書房 著:ウィラ・ギャザー 訳:佐藤宏子
マイ・アントニーア |
女性初のピュリツァー賞受賞作家で、20世紀のアメリカ文学を代表する作家の一人であるウィラ・ギャザー。
『マイ・アントニーア』は、そのウィラ・ギャザーの代表作です。
舞台は19世紀。西部開拓期のアメリカ、ネブラスカです。
主人公である幼いジムは両親を亡くし、遠く離れたネブラスカに住む祖父母のもとで生活する事になります。長い列車に揺られ、馬車に揺られるその旅路にはボヘミアから流れてきたシメルダ一家も一緒でした。シメルダ家の娘であるアントニーアは〝特別な〟力、そして魅力を持った少女。ジムは美しいアントニーアと出会い、ネブラスカの雄大な自然に抱かれながら様々な事を経験し、成長していきます。
瑞々しい人物描写の魅力もさることながら登場人物を包む動植物、その自然描写の美しさに何よりも息をのみます。美しく、厳しく、謎めいて、しかし親密な平原のなかでジムとアントニーアは活き活きと大人になっていきます。
西部開拓期も、ネブラスカも、アメリカも直にしらない日本の我々が読んでも、その情景に懐かしさを覚えるのはなぜでしょうか。
発表されたからもうすぐ100年にもなるウィラ・ギャザーの『マイ・アントニーア』は国境や時代を越えた原風景を我々に思い出させてくれるのかも知れません。
また、佐藤宏子さんによる新訳版は現代の私たちにとっても読みやすく、マイ・アントニーアへの愛を滲ませて、作品の魅力を鮮明に伝えてくれています。
美しい自然や、その中で懸命に生きる人々の移ろいを一緒に感じてみませんか?
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第71回 赤レンガ読書会 in 谷中満天ドーナツ
課題本:「マイ・アントニーア」
著 者:ウィラ・ギャザー 訳:佐藤宏子
開催日:2014年11月29日(土) 時間:14:30~17:00
会 場:谷中満天ドーナツ2Fカフェ
会場アクセス:
東京メトロ千代田線/千駄木駅から徒歩約5分
JR山手線・京浜東北線・常磐線/日暮里駅から徒歩約7分